青のキセキ
「....そう...ですね」
みんなは、課長と綾さんの間にあったことを知らない。でも、綾さんが課長の奥様だということは揺るぎ無い事実。
私がしていることは――――罪。
そう、私は罪を犯しているんだ。許されない罪を...。
なんとも言いようのない気持ちがこみ上げる。でも、もうどうしようもないぐらいに課長が好き。
いつか――――
罰を受けることになろうとも。
それにしても、佐山さんの言葉に動揺している私は、どれ程滑稽なことか...。
綾さんの存在を認識していても。
罰を受ける覚悟ができていても。
綾さんの名前を聞くだけで、こんなにも動揺し、心苦しくなる。
私は、これから一生、綾さんに対する後ろめたさを胸に生きていかなければならない。
これから先、課長との関係がどうなるにしろ。
分かってる。
もう引き返せない。
課長に愛されるぬくもりを忘れることなんて出来ないから。
時間が経つごとに、課長に対する想いは強くなってるのだから。