青のキセキ
そんなある土曜日。
課長と二人で過ごす夜。
その日もいつもと同じく、課長の愛撫に悶えまくり、二人で情事の余韻に浸っていた時のこと。
ベッド横のサイドテーブルに無造作にかけられた課長の背広のポケットで、携帯のバイブの音が響く。
「......誰だ?」
バスローブを羽織り、携帯を見る課長の顔が強張った。
一瞬でその場の空気が冷えていく感じがした。
「綾さん...?」
少し遠慮がちに聞く。
「あ...あぁ」
課長が答えると同時に、バイブの音が止んだ。
課長が携帯をポケットに直そうとしたとき、再び携帯電話が震え、バイブの音が響いた。
前髪を後ろに掻き上げ、溜息を吐く課長。
「出なくていいんですか...?急用かも...」
「......ごめん」
少しの間携帯を眺めていた課長は、一言そう言って、画面をタップした。