青のキセキ
結局、朝まで眠れず、夜明けとともにホテルをチェックアウトした私。
タクシーでマンションへ帰り、そのままベッドへ横になった。
あれから、課長から連絡はない。
部屋を出るときに『また連絡する』と言った課長の姿を思い出す。
何度も携帯をみては溜息を吐く。
着信もメールも音沙汰なしのまま。
今どこにいるの?
病院?
綾さんのお父さんとお母さんの容体は?
やり場のない不安に苛まれ、布団に包まる。
課長に貰った時計を胸に当て、右手をその上に添えた。
大丈夫。落ち着いたら、課長はきっと連絡をくれる。
それまで待っていればいい。
私には、待つことしかできないのだから...。