青のキセキ


間もなく、葬儀が始まった。



参列者の席へ腰を下ろし前を向くと、嫌でも課長と綾さんの後姿が目に入る。


肩を震わせ、泣いている綾さん。

そして、そんな綾さんを横から慰める課長。


綾さんの肩を優しく抱きながら...。




そんな二人を見ていられず、下を向く私。





さっきのことが思い出される。


ドアを開け、葬儀のために控室から出てきた課長と綾さん。


私たちを見て驚いていた様子だった。こんなに早く着くとは思わなかったのだろう。


一瞬、私の方をチラッと見たような気がしたけれど、課長はそれ以降私と目を合わそうとしなかった。

私も彼を凝視できずに、出来る限り目を合わさないようにしていたせいもあるかもしれないけれど。








石川さんの私を呼ぶ声にハッとする。


「大丈夫?気分でも悪い?」


ずっと下を向いていた私を心配してくれているのだろう。小さな声で聞いてくる。


「大丈夫です。昨日、あんまり寝てなくて...。でも、大丈夫ですから」


必死で笑顔を作り、応える。




でも、その後も前を向くことが出来ず、葬儀の間、ずっと下を向き膝の上でハンカチを握りしめていた。










葬儀終了後。



課長の元へ歩み寄る私達3人。

忙しくしている中、少し時間をもらい、空いている部屋で仕事の打ち合わせをすることになった。











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