青のキセキ
美空がカップを片づけ終わる頃、石川が美空を呼びに来た。
タクシーが来るまで、あと10分。
こんな気持ちのままで美空と別れなければならないことが、辛い。
しかも、石川と二人で帰すことになるなんて。
何も出来ない自分に苛立ち、奥歯を噛む。
俺の目を見ようとせず、
「帰りますね」
と、消え入るような声で言い、その場を離れようとした美空の身体が、ゆっくりと倒れてゆく。
まるで――――
スローモーションのように――――。
何が起こってるんだ...?
気が付けば、美空は床の上に横たわるようにして倒れていた。