青のキセキ
【大和side】
美空の家の近くのコインパーキングに車を停め、美空に、着いたことを伝えるために電話をかける。
『待ってます』
そう言ってくれた彼女の元へ急ぐ。早く会いたい。早く会って抱きしめたい。
美空、早くお前に会いたい。
インターホンを鳴らすと、すぐにカチャっと鍵の開く音が聞こえ、ドアが開いた。
ドアの向こうにいる美空の姿を見た途端、内部から突き上げられる想い。
何も言えなかった。ただ、美空を感じたくて、俺は美空にキスをした。
美空の吐息が俺を昂らせる。深い口づけを交わし、美空を抱きしめた。
――――会いたかった。
彼女を抱きしめながら、身体のことが気になった。顔色が悪い。
でも、彼女は、ただの睡眠不足だと優しい嘘を吐く。
美空の家に入るのは2回目だ。
腰を下ろし、お湯を沸かしに行った美空の後姿を見つめる。
首を横に振り、何かを紛らわせているように見えた。
どうしたんだ...。
何を考えてる?
綾のことか。
通夜の席で、何か言われたとか。
何を言われた?
俺の知らない間に、何があった?
それが気になり、訊こうと彼女に近付いた。