青のキセキ
過去に囚われる
――――ある日のこと。
部長に呼ばれて、部長席の前へ行った佐山さんと私。
「今度、隣町にクリニックができるらしい。そこから依頼が来てるんだが、君たちに任せたいと思ってね」
「病院...ですか?」
「あぁ。病院とレストランを併設した建物らしい。詳しいことは依頼主の佐伯さんと会ってから聞いてくれるかな。これに連絡先等が書いてあるから」
部長から手渡された書類を持って席へ戻った私達。
書類を見てみると、4階建ての建物に産婦人科、内科、小児科が入った病院ができるとのこと。そして、施設内にはレストランも併設されるとのことだった。
「結構大きなクリニックだね。依頼主は佐伯宏一さんかぁ。とりあえず、連絡入れてみるわ。会って詳しい話、聞かなきゃね」
「そうですね。お願いします」
その時は、まさか『彼』に会うことになるなんて思ってもみなかった。