青のキセキ
安らぎ
「ただいま」
ある日のこと。仕事中に肩を叩かれ振り向いた先に、彼が――――いた。
「課長!」
久しぶりに見る課長の姿。
佐山さんや春山さん、石川さんも課長が本社へ久しぶりに来たことに驚きつつ、嬉しさを隠せない様子だった。
「驚かせようと思って、内緒にしていてくれるように部長に頼んだんだ」
ちょっと悪戯っぽい目をして微笑む課長の姿に、胸が高鳴る。
「今日の昼からの会議に急に出ることになって、呼び戻されただけなんだけど」
そう言いながら、上着を脱ぐ仕草さえ素敵に感じる。
みんなの手前、普通に接しているけれど、二人きりだったら間違いなく抱きついてる。
彼に会えたことが嬉しくて。