青のキセキ
綾とマンションへ帰り、シャワーを済ませた俺。
既に綾はベッドで眠っていた。
ベッドサイドには、さっき買ったバッグ。
リビングに戻り、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して、大きく息を吐きながらソファに腰を下ろす。
冷たい水を口にして、天井を見上げる。
綾が抱いてと迫ってこなくなって、ホッとしている自分。
だが、一向に別れ話を切り出せない自分に苛立つ。
綾にせがまれて買ったバッグを思い浮かべて。
美空には時計以外何も買ってやっていないことに胸を痛める。
それは美空の意思なのだが、それでも愛する女に何もしてやれない自分の不甲斐無さを痛感する。
長嘆息を漏らし、再び水を飲む。
やっと出張が終わって帰ってきたと思ったのに、美空と過ごせずに悶々としている。
綾には申し訳ないと思う。
だが、今日のように美空の寂しそうな顔を見るのは辛い。そろそろ俺も限界か...。
一度、翔に相談に乗ってもらうか...。
そんなことを考えながら、俺はソファに横になり眠りについた。