青のキセキ

――――早朝。

静かな部屋。



携帯の着信音が、けたたましく鳴り響く。




「...誰だ...こんな時間に」


片目で画面を確認すると、翔からだった。






「...どうした？こんな時間に」



「すまん。今、綾と一緒か？」



何で綾と一緒にいることを翔が知ってるんだ。



美空から聞いたのか...？




ということは、昨日の美空の約束っていうのは久香さんだったのか...？



それだったら昨日何故言わない？




「...まと、大和？」



「あ、あぁ。寝室で寝てる」




「...そうか。あのさ、遥菜ちゃんのことなんだけど」


「美空がどうかしたのか？」



美空の名前を聞き、一気に心拍数が上がる。



「ちょっと体調が悪くてさ。しばらく仕事を休ませたいんだけど」


「...は？何でお前が...。美空はどこにいるんだよ」


「久香が付いてるから心配するな。じゃ、そういうことだから」



それだけ言って、電話を切った翔。




体調が悪いって...何があったんだ...。



どうして直接電話してこない...。



綾と一緒にいるから、電話してこれないってことか...。




それにしても、何でこんな時間に...。




身体をお越し、眉間に皺を寄せながら考える俺。




考えても答えは分からず...。




風邪でも引いたのか...。


美空のことが気になって仕方がない。






一体、どうしたんだ...。