青のキセキ
【大和side】
窓から見える景色。歩く人の数はまだ少なく、静かなオフィス街。
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昨夜、シャワーを浴びて浴室から出た後、結局眠ることが出来ずにソファに座っていた。
何をするわけでもなく、ただ座るだけ...。
綾を抱いた事実に茫然としながら。
美空のことを思うと胸が締め付けられる。
どうして...こんなことに...。
部屋に響く、時を刻む針の音。
息の詰まりそうな感覚に襲われ、夜明けと共に家を出ることにした。
着替えを取ろうと、そっとベッドルームを覗けば、綾が静かに寝息をたてて眠っていた。
何も身に纏っていない綾の背中が、俺に現実を突き付ける。
左右に頭を振り、着替えを取りリビングに踵を返す。
着替えを済ませ、部屋を出た俺は始発電車で会社へ来た。
仕事をしようとパソコンを立ち上げ眼鏡をかけたものの、何も手につかず美空を想い、美空の席に目が行く。
出るのは溜息ばかり...。