青のキセキ
カーテンの隙間からこぼれる光で目が覚めた私。
――――どうやら、泣き疲れてそのまま寝てしまったみたい。
カーテンを開ける気にもならず、横になったまま天井を見上げた。
何もしたくない。
何も考えたくない。
これから私たちはどうなるんだろう...。
なんて、怖くて考えたくない。
綾さんの妊娠を知って、課長はどう思っているのだろう。
自分の子供ができたと知った課長は、何を思っているのか。
知りたいけど、それを知るのが恐い。
その日のお昼、課長から電話があった。
外回りの途中だと彼は言った。課長の声の向こうでザワザワと音が聞こえる。
「...大丈夫か?」
「...大丈夫ですよ」
「嘘をつくなよ...」
だって、そう言うしかないでしょ...?
「綾さんは...?」
「今...マンションにいるはずだ...」
マンションにいるということは、昨日綾さんは帰らなかったんだ...。
「そう...ですか...」
「...美空、ごめん」
私が黙ったままでいると、課長が言った。
どうして...そんな声で謝るの?