青のキセキ
旅行会社で数種類のパンフレットを貰った私は、そのまま『翔』へ向かった。
「どこか行くの?」
パンフレットに気付き意味深な目で聞いてきた久香に、私は誕生日プレゼントとして課長と旅行へ行くことを伝えると、すごく羨ましがられた。
「綾さんのことがあってから、何となく気まずくて...。だけど、綾さんのことを忘れて二人だけの時間を過ごせたらって思ってる」
「そうなんだ...。体調は大丈夫なの?」
「課長と旅行へ行けると思ったら、全然平気だよ」
「はいはい、ごちそうさま」
そんなくだらない会話を楽しんで、私はマンションへと帰ってきた。
ごめん、久香。
課長と別れることに決めたことを言えなくて...。
相談もせずに一人で決めてごめん。
全てを終わらせる決心をして
――――――――ごめんね。