青のキセキ
【大和side】
――――どうしてこんなことになったのだろう...
綾に妊娠を告げられてから数日が過ぎた。
この数日の間、ずっと綾の妊娠のことが頭から離れず、俺はどうすればいいのか考えた。
が、答えは出ず。
美空が会社に退職届を持ってきたその日の夜、二人きりで食事をした時も俺は美空に何も言うことが出来なかった。
美空も綾の妊娠を知って、苦しんでいるだろう。悲しんでいるだろう。
なのに、俺を困らせないように平気な振りをする美空に胸が痛かった。
そんな彼女に、俺がしてやれることは何なのか。
綾と別れてお前と一緒になりたいと言えば、お前は喜んでくれるのか。笑顔を見せてくれるのだろうか。
出来るのならば...そうしたい。そうしようと思っていた矢先に知らされた綾の妊娠。
俺の子供を宿した綾を...俺は捨てることが出来るのか。
捨てるなんてことが許されるのだろうか...。