青のキセキ
一つ一つ品物を手に取ってみている綾の側を少し離れて外に出ようとした時、ふと目に入ったうさぎのラトル。
見た瞬間、プッと吹き出しそうになる変顔のガラガラ。気が付けば、それを手に取っていた。
じっとそれを見ていると、なぜか癒されたような気がした。ここ最近、精神的にキツイ日々を送っているためか、ホッとした気持ちが体中に広がった。
そして。
街中ですれ違った赤ちゃんや幼い子供たちを思い出す。
邪な心など全くなく、純粋無垢な瞳を持つ天使たち。
自然と笑顔になれた。
小さな小さな子供なのに、やっぱり存在は大きいんだと痛感した。
でも、この笑顔を美空に見られていたなんて...俺は全く知らなかったんだ......。