青のキセキ
何時間も一人で空と海を眺めていた私。
真っ青だった空は紫がかり、星が輝き始めている。
時間が経つごとに数が増え、いつの間にか数えきれない星が宝石のように空に散りばめられて...。
そろそろ...行かなきゃ...。
ゆっくりと深呼吸を一つ。
座っていたベンチから立ち上がり、その場を後にした私はゆっくりと浜辺へと歩いて行った。
――――――――...
ザザァ――と打ち寄せる波。
街灯に照らされた街路樹が浜辺から見えた。
昼間は澄み切った海が、夜には漆黒の世界に変化する。
その変化を、砂浜に座って見届けた私。
両手で掬ったサラサラの砂が、手の隙間から零れてゆく。
暗くてよく見えないけれど、砂の感触が心地よくて何度も同じことを繰り返した。
そして、気が付けば...いつの間にか空には月が上っていた。