青のキセキ
「元気...だったか?」
課長が口を開いた。
「はい...課長も..お元気でしたか...?」
少し遠慮がちに聞くと、「あぁ」とあの頃と変わらない笑顔を見せる課長に胸がドキドキした。
..............。
何を言えばいいのか分からなくて黙りこむ。
「場所を変えないか...?」
課長に言われて、私はコクンと小さく頷いた。
車の中が、しんと静まり返る。
近くでは周りの目もあるだろうからと、市街地まで課長の車で移動することになった。
あの頃とは違う車。
真新しい香りがする。
ゆったりとした車内に3列の革張りのシート。
高級感が漂う素敵な車。