青のキセキ
「美空が家族を大切に思ってるのがすごく伝わってきた。そんな彼女に何を言えばいい?まだお前を愛してるって?そんなこと、言えるわけないだろ」
自嘲気味に笑みをこぼし、ウーロン茶の入ったグラスを手にした。
車じゃなきゃ、酒を飲んで酔ってしまいたい気分だった。
どうやら俺は自分で思ってたよりも美空のことを愛しているみたいだ。美空が結婚したのだと知り、こんなにもショックを受けている。
元はと言えば。
美空が佐伯に乱暴された時、酒を浴びる程飲んで酔った俺は綾を抱いて...結局その失敗が今の状況の原因なのに。
なのに、俺は酔いたいと思うほど、この気持ちのやり場に困るほど、打ちのめされているのだから。