青のキセキ
【大和side】
どれ程の時間が経過したのか。
翔と別れてから、こうして時間を確認するのは何度目か。
その度に、然程時間が経ってないことに苛立ちを感じ溜め息を吐く。
挙げ句の果てには、時計の秒針を眺めだした俺。
1秒1秒、時を刻みながら動き続ける針を見ていると、少しばかり気持ちが落ち着くように思われた。
しばらく待ったが、翔が戻ってくる気配はない。
辺りを見回すと、山と海が視界に入った。
この前来たときも感じたことだが、本当にいい町だ。自然に囲まれ、長閑な場所。
太陽の光に照らされて、山の木々や海の水がキラキラと輝いている。
翔は美空と会えたのだろうか。
電話もメールもなく、俺はただ待つしか出来ない。