ボディーガード
上着を脱ぐと血がポタポタと床に落ちた。

朱里「チッ、しくじったな。敵の人数が多すぎて周囲にまで気が回らなかった。訓練不足だ」

消毒液を取りだしぶっかけた。

朱里「うっ…痛い」

トントン

ドアをノックする音が聞こえた。上着を羽織った。

朱里「はい」

仁「入っていいか?」

朱里「ちょっと待て」

血の付いた床に鞄を置いた。
血の付いた服を隠そうとしているとドアが開いた。

朱里「ちょっとまだ良いって言ってない」

持っていた服を後ろに隠した。

仁「悪い。気が短いんでな待たされるの好きじゃない」

朱里「好きじゃなくても女性の部屋に入る時は待つのが礼儀だ」

仁「悪かったよ」

朱里「何の用」

仁「お前怪我してるみたいだったから、手当してやろうと思って」

朱里「そんなの自分で出来るからいいよ」

仁「見せてみろ」

そう言って私の肩に手を置いた。

朱里「痛っ…」

羽織っていた上着が下に落ちた。

仁「この傷…もしかしてあの時撃たれたのか」

朱里「たいしたことない、手当は自分でする。出ていってくれ」
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