ふわり、溶けていく。
「ぶはっ! 舞、何その眉間のシワ!」
「…っ!」
りゅうちゃんが顔を指差して笑う。
細長い指先が差す場所を、とっさに両手で隠した。
…そういえば、不機嫌顔のままだっけ。
今さら隠したってもう遅いのに、手で隠したまま顔を下に向けた。
大きめの雪が地面に吸い込まれていくのがはっきりと見える。
「…舞? どした? なんかイヤなことでもあったのか?」
「…なんで、そう思うの?」
「だっておまえ、昔からイヤなことあると眉間にシワ作ってたじゃん」
「……」
何の躊躇いもなくあたしの気持ちに気付いてしまうりゅうちゃんに、何も言えなくなってしまった。
……こういうとき、幼なじみってズルいと思う。
小さい頃から自然と一緒に居る時間が多かったから、下手すると家族よりもあたしの気持ちに敏感かもしれない。