魔王と魔女と男子高生と
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唐突なしかし、
確信に満ちた
言葉だった。
「ハッ?」
「この世界にも
キンモクセイに
良く似た『クロノ
クロア』と呼ばれる
花があったらしいけど
5000年近く前に
絶滅しているんだよ」
珍しく沈痛な面持ちで
空砂は言った。
「マジか?」
信じられないと言う
ことを隠さない表情で
陸琉は空砂を見た。
空砂は深く頷いてから
とても残念そうに、
「うん。リビアンの
おうちの文献やら、
この町の図書館の文献を
漁ったら書いてあった
から間違いないと
思う」と言った。
空砂達の話の途中で
部屋の扉が開いた。
そこにはクジャクが
立っていた。
「……クジャクさん、
お聞きしたいことが
あるんですが」
陸琉はちょうどいいと
クジャクにクロノクロア
について聞こうとした。
すると、陸琉が聞く前に、
「そうじゃな、
『クロノクロア』は
既に滅んだ植物じゃよ」
と答えた。
気のせいかも
しれないがその話を
するクジャクの
叡知を称えた鳶色の
瞳に僅かに悲しみの
色が見えた気がした。
「『クロノクロア』……
滅びし都市と同じ名前。
そして、魔王が愛した
「白き魔女」の名前でも
ある」
「あの都市は元々魔王が
愛する魔女のために
作らせた都市じゃった。
『クロノクロア』の
花も魔女が好んだ花じゃ。」
そこまで言った
クジャクは少し間を
おいて、
「故に……魔王が
封じられクロノクロアが
殺された後は……
都市は滅ぼされ、
その花も不吉なもの
として焼き付く
され滅んだのじゃ」
「ひどい!!魔女の
名前がついていても
その花には
罪はないのに!!
理不尽だよ!!」
空砂は叫んだ。
深夜だというのに
お構い無く。
その声でリビアン達の
眠りを妨げていないか
陸琉は少し不安になった。
「……落ち着け。
確かに酷い話だが……
そもそも魔王とか
魔女とかピンとこない
んだよな……」
陸琉はとりあえず
自分の意見を口にした。
「しかも魔物退治に
いくにしても具体的に
ここがどんな世界か
全くわからないんです。
だからいまいち何を
すべきかわからないのが
正直な意見です」
陸琉のもっともな
言葉にクジャクは
深く頷き、
「そうじゃな、突然
知らない世界にきて、
よくわからないうちに
危険な目に遭うのは
恐ろしいことじゃろう。
どれ、
この世界について
わしが知る限りの
話をしよう」
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唐突なしかし、
確信に満ちた
言葉だった。
「ハッ?」
「この世界にも
キンモクセイに
良く似た『クロノ
クロア』と呼ばれる
花があったらしいけど
5000年近く前に
絶滅しているんだよ」
珍しく沈痛な面持ちで
空砂は言った。
「マジか?」
信じられないと言う
ことを隠さない表情で
陸琉は空砂を見た。
空砂は深く頷いてから
とても残念そうに、
「うん。リビアンの
おうちの文献やら、
この町の図書館の文献を
漁ったら書いてあった
から間違いないと
思う」と言った。
空砂達の話の途中で
部屋の扉が開いた。
そこにはクジャクが
立っていた。
「……クジャクさん、
お聞きしたいことが
あるんですが」
陸琉はちょうどいいと
クジャクにクロノクロア
について聞こうとした。
すると、陸琉が聞く前に、
「そうじゃな、
『クロノクロア』は
既に滅んだ植物じゃよ」
と答えた。
気のせいかも
しれないがその話を
するクジャクの
叡知を称えた鳶色の
瞳に僅かに悲しみの
色が見えた気がした。
「『クロノクロア』……
滅びし都市と同じ名前。
そして、魔王が愛した
「白き魔女」の名前でも
ある」
「あの都市は元々魔王が
愛する魔女のために
作らせた都市じゃった。
『クロノクロア』の
花も魔女が好んだ花じゃ。」
そこまで言った
クジャクは少し間を
おいて、
「故に……魔王が
封じられクロノクロアが
殺された後は……
都市は滅ぼされ、
その花も不吉なもの
として焼き付く
され滅んだのじゃ」
「ひどい!!魔女の
名前がついていても
その花には
罪はないのに!!
理不尽だよ!!」
空砂は叫んだ。
深夜だというのに
お構い無く。
その声でリビアン達の
眠りを妨げていないか
陸琉は少し不安になった。
「……落ち着け。
確かに酷い話だが……
そもそも魔王とか
魔女とかピンとこない
んだよな……」
陸琉はとりあえず
自分の意見を口にした。
「しかも魔物退治に
いくにしても具体的に
ここがどんな世界か
全くわからないんです。
だからいまいち何を
すべきかわからないのが
正直な意見です」
陸琉のもっともな
言葉にクジャクは
深く頷き、
「そうじゃな、突然
知らない世界にきて、
よくわからないうちに
危険な目に遭うのは
恐ろしいことじゃろう。
どれ、
この世界について
わしが知る限りの
話をしよう」
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