魔王と魔女と男子高生と
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桜並木の道をふたりの
人物が歩いてくる。
ふたりとも同じ制服を
きているので同じ学校の
生徒だろうがいまいち
中学生か高校生か
わからない。
ひとりはとても小柄で
線が細く制服を
着ていなかったら
美少女小学生で
通りそうだ。
もうひとりは身長的に
170㎝以上あり、
少しがっちりした
少年で、髪さえ金髪に
染めていなければ
爽やかなスポーツマンに
みえると思う。
「また、同じ夢を
見たんだよね」
美少女のような少年、
風祀 空砂(かざまつり
くうさ)はどこか
夢見がちな表情で言った。
「……あの肉片の夢か?」
うんざりしたように
もうひとりの少年、
水延崎 陸琉(みずのべざき りくる)が聞き返した。
「肉片は、確かに肉片
だけどそこだけ言うと
あの素敵でロマン溢れて
カッコイイ夢が台無し
じゃないか!!」
空砂は陸琉を
睨み付けてプゥーッと
膨れた。
「わりぃ。肉片じゃなく
勇者の夢だっけ?」
「そうそう!!勇者一行
が邪悪な魔王と
その恋人の魔女を
封印するために
一本橋に追い詰めるんだ
そして、勇者達が
魔王を庇って橋の前に
立ちふさがる魔女と
激しい交戦を繰り広げて
……」
「勇者の剣から放たれた
魔法が魔女の身体を
貫いて、魔女は魔王の
名前を叫びながら
肉片になって
飛び散るとこで終わる
んだよな?」
「うわぁ!!オチを
言うなよ!!」
ドガッ!!という音を
立てて陸琉を空砂は
膝蹴りした。
「いてぇ!!何すんだ
つーか途中までは
ライトファンタジー風
なのに何で最後肉片が
飛ぶんだよ……
グロいだろ」
「仕方ないだろう!!
僕はライトファンタジー
よりダークファンタジー
が好きなんだから!!」
そう言ってそっぽを
向いた空砂を陸琉は
疲れたように見つめた。
空砂が勇者の夢を
話すのはいつもの日課
みたいなものだった。
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桜並木の道をふたりの
人物が歩いてくる。
ふたりとも同じ制服を
きているので同じ学校の
生徒だろうがいまいち
中学生か高校生か
わからない。
ひとりはとても小柄で
線が細く制服を
着ていなかったら
美少女小学生で
通りそうだ。
もうひとりは身長的に
170㎝以上あり、
少しがっちりした
少年で、髪さえ金髪に
染めていなければ
爽やかなスポーツマンに
みえると思う。
「また、同じ夢を
見たんだよね」
美少女のような少年、
風祀 空砂(かざまつり
くうさ)はどこか
夢見がちな表情で言った。
「……あの肉片の夢か?」
うんざりしたように
もうひとりの少年、
水延崎 陸琉(みずのべざき りくる)が聞き返した。
「肉片は、確かに肉片
だけどそこだけ言うと
あの素敵でロマン溢れて
カッコイイ夢が台無し
じゃないか!!」
空砂は陸琉を
睨み付けてプゥーッと
膨れた。
「わりぃ。肉片じゃなく
勇者の夢だっけ?」
「そうそう!!勇者一行
が邪悪な魔王と
その恋人の魔女を
封印するために
一本橋に追い詰めるんだ
そして、勇者達が
魔王を庇って橋の前に
立ちふさがる魔女と
激しい交戦を繰り広げて
……」
「勇者の剣から放たれた
魔法が魔女の身体を
貫いて、魔女は魔王の
名前を叫びながら
肉片になって
飛び散るとこで終わる
んだよな?」
「うわぁ!!オチを
言うなよ!!」
ドガッ!!という音を
立てて陸琉を空砂は
膝蹴りした。
「いてぇ!!何すんだ
つーか途中までは
ライトファンタジー風
なのに何で最後肉片が
飛ぶんだよ……
グロいだろ」
「仕方ないだろう!!
僕はライトファンタジー
よりダークファンタジー
が好きなんだから!!」
そう言ってそっぽを
向いた空砂を陸琉は
疲れたように見つめた。
空砂が勇者の夢を
話すのはいつもの日課
みたいなものだった。
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