藍君の恋について
とっさに目をつむった。






しばらく時間が止まったみたいに、静かになった。


ん?


私は恐る恐る目をあけた。


そこにいたのは、背が高い男の子だった。


ミルクティー色のきれいな髪。


あれ?


この人もしかして……


「女とガキ相手によくやるよね。弱いものいじめしてるなら、もっと綺麗なお姉さんに声かけりゃいいのに」


「なんだよ!!てめぇ」


「はぁ。だから、諦めろっていってんのに」


「あ!?」


「めんどくさいなぁ…
ねぇ。ちょっと走れる?」


「え?」


「僕が走れっていったら、むこうに走ってね。男の子は僕がつれてくから」


小声でささやかれて、ちょっとドキッとした。


って…そんな事考えてる場合じゃないんだけど…


まぁこの人の言う通りにしてれば、なんとか助かるかもだし。


「おい!なんとかいえや!!」


「走れ!!」


私は言われた方向に迷わず走りだした。


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