保健室の眠り姫
<美紀さんは、心臓の動きが普通の人とちょっとちがうんです。 たまにフラッとしてしまうときはあると思うんですけど 普通に生活できます。 彼女の寿命は普通の人と比べたら短いかもしれないけれど・・・もし君が彼女の隣にいるんだったらこれから支えてあげなさい。 無償の愛を彼女にそそいであげてください。 彼女の最後までね。>
「医師からいわれたんだ。 これがっ・・頭から離れなくてさ・・・」
涙が止まらなくなっていた。
康太にこんな過去があったなんて。
美紀が苦しかったってことも。
「俺さぁ なさけないよな。 美紀の病気のこと知ってから美紀を見れなくなったんだ。 美紀は好きだった・・めっちゃ好きだったから怖くなったんだ。
いつか美紀がいなくなってしまうって・・・・
それで美紀に別れを告げたんだ。 こんな自分勝手な男・・・美紀には申し訳なさ過ぎて・・・」
涙やら鼻水やらでメチャクチャになっている康太の顔を俺はただみつめていた。
「まさかこの学校で出会うなんて夢にも思わなかったよ。
保健室であの時と変わらない美紀の姿を見て・・・俺・・・思い出して。
けど、今更会うにもいかないだろ? ずっと避けてたんだ」