愛するあなた
もうわかってると思うけど、私は桜。綾波 桜。
今日から高校1年生の15歳。

「まだ誰も通ってないや。ここの桜は私の独り占めだぁ。早くに出てきて良かった。」
誰もいないから私の声が桜並木の中をすーっと通っていく。
目を閉じ、桜と風を感じる。まるで桜たちが私を呼んでいるよぉな気がしてくる。
その時、強い風が吹いた。

（ーザーーーーッ）
「きゃっ、もぉ髪がぐちゃぐちゃだよ」
でもその言葉を気にしていないとでも言うかのように桜たちはサラサラと舞い散る。

「もぉ………誰かいる」

そこにはベンチに座りながら眠っている男の子がいた。本当に気持ち良さそうに眠っている。

「……キレイな人。」
桜は夢でも見ているような気分になった。
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