【短編】『夢幻華番外編』恋人の時間(とき)
クリスマスの過ごし方

「ねえ?暁。今年のクリスマスは何か予定あるの?」

12月に入ってすぐの日曜日。

いつものように杏の家で休日を過ごしていた時に、杏は何気ない調子で俺に聞いてきた。

予定も何も、もちろん杏と過ごすんじゃないのか?

やっと長い長い片想いに終止符を打って両想いになったんだ。

やっぱりクリスマスの夜は恋人たちの甘いデートっつうヤツを杏もしたいだろう。

クリスマスっていったら恋人同士のための一大イベントみたいなモンだし、女の子はみんなそういうのに憧れるんじゃないのか?

俺は今まで色々彼女をとっかえひっかえして来たけれど、クリスマスの夜を一緒に過ごすのは杏だけと心に決めていた。

今まで付き合ったヤツがどんなに頼んでも、クリスマスには一度だって女と出かけた事は無いんだ。


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