男の娘、革命!


その時のオレは、もはや向こう見ず。沸き立つ怒りがままに男を責め、そうして妻娘に過去にこの『パパ』が何をしたかを暴露した。


オレの言葉が分からぬ歳の娘はただ泣き、男は土下座。けど、母親は気丈に、言った。


『私たちの幸せを邪魔しないで!』


女は男の過去を知っていた。知った上で、結婚したそうだ。


『今のこの人は、昔と違う』


相手にしてみれば、オレは、“終わったことをぶり返させる汚点”でしかなかった。


温かな家庭なんだ。
過去のことなど関係ない、現在(幸せ)を邪魔するなって――オレのシアワセを奪った奴は見せつける。


ああ、心を改めたんだろう。改心し、聖人になり、いいパパになったのは間違いないんだろう。


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