男の娘、革命!


殴った奴が複数いることを何で知った!?と、渉の胸元に張り付く冬月に言っておきたいが、単なるカマかけ。


どきりとした渉の心音を聞き逃さず、「切りがいあるわぁ」と冬月は笑った。


「そないな傷作るんなら女子供やないんやろねぇ。わたるんはんを襲ったのは男で複数。二人ぃ?」


「尋問は止めてください」


「……」


「冬月くん?」


渉から一歩離れた冬月。これ以上は聞き出せないと落胆しているのかと思えば。


「わたるんはんに庇われるやなんて。わたるんはんの優しさは、僕のもんやのに――つぅ、溝出ぃ!」


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