男の娘、革命!
「わたるんっ」
『一年の教室からこっちまで来ちゃった設定』の苺ちゃんがやってきた。
「犬童くん」
何かご用ですかと言う前に、手首をがっちり握られた。
「ボク、わたるんにね、お話があるんだぁ」
「じゃあ、授業終わるまで待ってくだ」
「ふえぇ、今じゃなきゃダメー」
小さい子泣かすなんて、わたるん鬼畜っ。と周りの生徒が見ても、がっちり掴んだ手が言っている。
(今すぐについてこいや。てめえに、幼女泣かす鬼畜属性つけっぞ、あん?)
「……、分かりました」
「うわぁい、わたるんありがとー」
えへへーな苺ちゃんに連れられるがまま、やってきたのは屋上だった。
授業の始まりを告げるチャイムが、青空にまで届くよう。
少し寒いなと思いつつ、屋上を走り回る苺ちゃんを見た。