パパはかわら版
良江「ああこれでやっと、お父さんに子供だと認めてもらえる。ありがとう、お母さん」
初江「私は、ぜっ~たい、あんただけは、パパの子じゃないと思う。もしあんたのお母さんの話が本当だとしたら、どこかで取り違えられたのね。そういった場合、どうなるのかしら」
良江「よくも言いましたね。そこまで言う権利があるんですか」
橋龍「もういい。これじゃ、わたしも生活が台無しだよ。分かったから、ここに書きなさい。お母さんと身内の名前と住所」
幸江「ええ、それって、もしかして、確認したら、ここにずっと住んでもいいってこと」
良江「本当ですか。お父さん。お母さんのことを覚えていてくれたんですね」
初江「分からないわよ。身元調べてここから追い出そうって魂胆かもしれない」
良江「そんなことないですよね。お父さん。私はお父さんを信じます」
初江「あんた、単純ね。この人が、そんな風に考えていると思う。もしそうだったら、私達こんなことになっていないわよ」
良江「それでも私はお父さんを信じます」
初江「何でそんなに脳天気なのかしら」
良江「そんなこというなら、初江さんは出ていけばいいんじゃないですか。どうせ、いくとなんかないくせに」
初江「私はね、お父さんがいることを聞いて、おばさんに迷惑がかからないように、ここへきたの。あなたとは違うわよ」
良江「どうでしょうね。私はその話は怪しいと思います。初江さんの性格だと、よほど邪魔者扱いされない限り、出てこうなんて思わないと思いますよ。それでも出てきたと言うことは、追い出されたに違いありません」
初江「なんだとお」
良江「なんですか」
橋龍「もういいー。お前たち、もっと静かに話ができないのか。とにかく、みんなここへ書きなさい」
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