パパはかわら版
勇介「あれ、君ら誰。見たことないけど、なんでおじさん家から出てきたの」
初江「あんた誰よ。なれなれしいわね」
勇介「僕はここに住んでいる、勇作。こっちが小雪」
初江「へえ、あんたもここに住んでんだ」
良江「私達は、お父さんが帰ってくるまでに、その辺、散歩することにしたんです」
勇介「おとうさん?っておじさんのこと」
幸江「いやいや、誰のことでもありませんよ。私達は、ねえ、、」
勇介「ああ、分かった。親戚の子だね。それで泊まりにきてたんだ」
良江「違いますよ。お父さんと暮らすために」
初江「いろいろ事情があんのよ。あんたなんかにはわかんないわよ」
幸江「大人の事情ってやつね。ちょっと説明できないわ、他人には」
初江「そうね、こんな単純そうでは」
勇作「ちょっと、君ら、初対面の人間には厳しいね。よそ者だと思って声をかけてやったのに」
幸江「小雪ちゃんはいくつ」
小雪「6つ」
幸江「かわいいね。今度遊ぼうよ」
勇作「ええ、君らここに住んでるの。どっからきたの」
初江「あんたには関係ないわよ」
幸江「そうそう、だいたいあんたなれなれしすぎるよ」
良江「この人きっともてませんよ」
初江「相手にしてくれる人がいないのね」
幸江「それじゃ、私達暇じゃありませんので」
良江「もう声はかけないでくださいね」
< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop