LOVERS NIGHT
俺は立ち上がろうとして―――頭が痛くて座り込んだ。
高熱なんだろう。薄手のパジャマのせいで、寒気が止まらない。なのに、体中から熱気が出ているみたいに熱い。
浮いているみたいに動きがあやふや。
でも、体重が増えたんじゃないかって思うくらいに体が重い。
こりゃ、食事も大変そうだ。
そのとき、ドアが――アパートのドアが開いた。
「よいしょっ」
かわいらしい声が聞こえる。
まさか…!?
「奈緒…?」
俺は、玄関に向かって、そっと呼びかけた。