LOVERS NIGHT
奈緒が、スーパーの袋を二つ持って戻ってきた。
「何、それ」
「季節違うから、買うの苦労したんだ」
そいつは湯たんぽだった。よく売ってるな、この真夏に。
「風邪のときって寒いから。買ったんだ」
奈緒は嬉しそうに言って。
「早速、お湯入れてくるね」
ご機嫌そうにスキップして奈緒は台所へ行く。
「…奈緒、今何時」
俺は携帯が見つからなくて聞いた。
「んーとね、十一時!」
奈緒が向こうで答えた。
「ところで、俺の携帯どこ」
応答なし。