LOVERS NIGHT





 奈緒が、スーパーの袋を二つ持って戻ってきた。





「何、それ」



「季節違うから、買うの苦労したんだ」



 そいつは湯たんぽだった。よく売ってるな、この真夏に。



「風邪のときって寒いから。買ったんだ」


 
 奈緒は嬉しそうに言って。



「早速、お湯入れてくるね」



 ご機嫌そうにスキップして奈緒は台所へ行く。



「…奈緒、今何時」



 俺は携帯が見つからなくて聞いた。


「んーとね、十一時!」


 奈緒が向こうで答えた。



「ところで、俺の携帯どこ」



 応答なし。









< 15 / 41 >

この作品をシェア

pagetop