LOVERS NIGHT
声を振り絞って、奈緒を呼ぶ。
「明日…花火大会だろ?」
奈緒は俺の正面まで来て、うん、と頷いた。
「一緒に行こうぜ」
「え!?龍次、風邪大丈夫なの?」
奈緒はこういうときだけ現実的なことをズバッって言うんだ。
「へへっ、治してみせるぜ」
俺が言うと、奈緒は何度も頷いて。
「頑張れ、龍次!」
その笑顔が子供みたいでかわいかった。
「花火大会かぁ…。そういえば、去年も行ったね」
あのときは、奈緒が誘ってくれたんだっけか。
懐かしいな。
って、なんか俺、ジジィかしてね!?
やべぇやべぇ。
「龍次、とりあえず、寝てきなよ」
奈緒が言う。
「…だな」