LOVERS NIGHT
「熱、測っといてね!」
台所から奈緒が言った。
「おう」
いつもはビックリマークがつくセリフだけど今日はビックリマークが不在。
俺はベッドに寝転がり、体温計を脇に挟んだ。やべぇ…本格的に熱上がってきやがったな…。
ピピピッっていう電子音で俺は体温計を抜いた。
そこには、信じられない数値が出ていた。
38.8℃
高校生のわりには高熱だ。否、小学生にしても高熱だろう。
俺は体温計を持ったまま、両手を広げて天井を見上げた。
天井がかすんで見える。
こりゃ、明日の花火大会までには復活できねぇな。
ため息をついたときだ。
さっきの奈緒の笑顔が脳裏に浮かんだ。
奈緒の為にも…熱を下げて、一緒に花火大会行きたいな。