LOVERS NIGHT




 電子音で体温計を抜いて。俺は驚いた。



 37.6℃



 無茶苦茶下がってんじゃん!!



 ラッキー!


 俺はベッドに置きっぱなしの携帯を掴み、何回もプッシュした経験のある奈緒の電番をプッシュした。


「どうしたの?」


 奈緒の戸惑った声が聞こえる。


「あ、奈緒?熱、だいぶ下りてた!」



 俺が興奮して叫ぶと、


「気を付けてよ?昼になると熱って上がるんだから」



 奈緒はやっぱり現実派。


 厳しい現実を叩きつけられて俺は肩を落とした。



「そうか…」


「無茶はしないでね?」




 奈緒はそう言って、電話を切った。



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