LOVERS NIGHT
俺はTシャツの上にパーカーを羽織って、ジーパンを履いた。
「着替え終わった」
俺の言葉に奈緒が顔を出して、行こう、と言った。
俺が歩き出すと、先に歩いていた奈緒が立ち止まって、俺の歩調に合わせだす。
「どうした」
「別に?なんかした?」
奈緒はサラッと言ってそれから俺の右手を握った。奈緒の握力は俺の半分。すごく弱い。女の子だもんなー、とか思う。
「どうしたの、龍次。顔にやけてる」
奈緒が目を丸くして。
「いや、奈緒が自分から手を繋いでくれるなんて珍しいから」
俺の言葉に奈緒は顔を赤くして。
「龍次が倒れちゃったら困るもん」
素直じゃないな。
ツンデレか?
人って見かけによらねぇな。