きらふわ

私は、部屋に自分のものを置いていく。
大好きなくまのぬいぐるみ。
ちゃんと名前だってある。

【ふわふわ】

それがこのぬいぐるみの名前。
私の唯一の友達。
決して友達がいないわけではない。



ただ、疲れる。
裏表の差が激しくてついていけない。
それに耐えるのに疲れて
学校に行けなくなった。


『誰にも気を使わなくていいところ・・・
 そこに行きたい。』


私の呟きは誰にも聞こえることなく
壁に吸収された。


ベッドに横になり壁にかかっている
制服をぼんやりと見る。


前の高校の制服とは違い、
赤のチェックのスカートに
赤い紐状のリボン。

この辺は山だからか合服・・・
でもセーターがある。


私はケータイを充電器につなぐと
そのまま寝た。


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