【短編】放課後王子様とヒミツのキス。
その瞬間だった……。
わたしの唇になにかが触れたのは。
「……ん」
その"なにか"が離れたと同時に、わたしは目を開けた。
「……え??」
ハッと我に返り、思わずわたしは自分の唇にそっと触れた。
「―――ごめん。玲奈がかわいかったから、キスしたくなった」
照れくさそうにそう言う健一くんを見て、わたしはさらにドキドキした。
「……キス??」
そっか……。
さっきわたしは、健一くんとキスしちゃったんだ。
だからこんなにドキドキするのかな??
胸の奥がキュンとなって、疼くように痛くなる。