恋の献血センター
「何のつもりよーーーっ!!」

「・・・・・・ちょっとは驚け。大抵の娘は、私のこの姿に見惚れるものを」

「そんなことは、どうだっていいわよーーー! 何なの! 何で檻に閉じ込められてんのよーーーっ!!」

「うるさい娘だ」

 やれやれ、と片手で耳を塞ぎ、彼は椅子に腰掛けた。
 そして、机にあった紙を取る。
 朱美が書いた、問診票だ。

「あけみちゃんか」

「あけび」

「あけび? ふ~む、それではお前の血液は、蕩けるように甘かろうな」

「気色悪っ」

「詩的と言え」

 朱美の言葉に怒るでもなく、彼は問診票を読みつつ、満足そうに微笑んだ。
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