【完】山伏ネコの旅日記
野犬達との戦い
山岳をなんとか登りきり…もうすぐ頂上というところで…予期せぬ事態が発生した!
この山岳には、人間に捨てられた野良イヌ達が野犬として生息しているという噂を聞いたことがあったのだがその野犬達の群れに遭遇してしまったのだ!
野犬達は…オレの姿に気付き、したり顔で唸りオレの周りをグルグル囲みながら周り始めた。
“お前…飼い猫の匂いがプンプンするぜ!”
野犬の一匹が…俺の匂いを嗅ぎながら唸った…。
“だから…なんだ?”
オレも負けずに“フッー!”と威嚇した。
野犬達はそんなオレをバカにしながらグルグルと囲みながら回っていた!
“ここに…何しに来た?”
またもや別の野犬がしたり顔で尋ねた…。
“山岳の頂きで山伏ネコとして修業をつむためにここに来た…。
先を急ぐので道をあけてもらいたい。”
オレは…威嚇を続けながら野犬達を睨んだ。
こんな状況でも…カッとなって目的を見失う訳にはいかない…!
オレは…この修業を終えて立派な成人(猫)となるために来たのだから…!
“へへへ…聞いたか!
わざわざここに修業しに来たんだとよ!”
アホ面を並べて別の野犬が嘲笑った…。
“ここから先は…山の頂きしかないぜ!
…せっかく来たけど取り越し苦労だったみたいだなあ!
山伏ネコさんよお…!”
またもや別の野犬が…舌でペロリと口周りを舐めながら嘲笑った。
“それでも先を急ぐので通してもらいたい”
オレは…気丈にふるまいながらも野犬達を睨み威嚇を続け道を開けるように諭した。