【完】山伏ネコの旅日記
そう…考えると胸が痛んだ…。
飼い主のおばあちゃんのように…犬や猫や動物が好きでちゃんと世話も怠らず家族として考えてくれてる人間もいるけど…そうじゃない人間もいる…。
それによって生き物はある日…突然捨てられて路頭に迷いそして…中には息絶えてしまう生き物だっているはずだ。
“…猫仙人様…。
どうしたの?”
真剣な表情で考えこんでいたオレを心配そうに見つめる子犬たちの視線に…はっと気づき笑顔を返した。
“ごめん…。ごめん…。
そうだ!みんなは野犬でいる事をどう思っているの?”
オレは…子犬たちに逆に質問をした。
“オレ達は‥大人になっても‥野犬でいたいよ!”
子犬たちは…今の生活に満足しているのか声を揃えて口々にオレの質問に答えて満面な笑みを浮かべた…。
オレは…彼らの笑顔を見て決心した。
“‥帰ろう!
飼い主のおばあちゃんの待つ家に戻り、そしてより多くの理解者を増やそう!
この旅の記録を伝えるために…。”
“猫仙人様…!
子供達ご飯の時間ですよ!?”
遠くでオレ達を呼ぶ母イヌたちの声に気づき…子犬たちは無邪気にかけだした。
その光景を胸に焼き付けオレは再び決意を固め子犬たちの後を追いかけてその場をあとにした。