【完】山伏ネコの旅日記
 会場の猫たちは言葉を失い“しーん…。”と静まり返った

 オレは…月光の光に照らされる山岳を思いながら力の限り声を張り上げなおも伝える。


 “野犬たちは…1度目…人間から住まいを奪われ今の山岳にたどり着いたと言っていました…。
 そして…傷も癒えぬままなんとか…今、ようやく山岳で自分の住まいをもちはじめた矢先…人間たちが山に侵入し身勝手な降るまいをしたあげく…野犬たちを怒らせてしまい… その結果野犬たちは生きるために坑がい攻撃をしかけました…。
 しかし結局人間に勝てず…捕獲され処分されるという事態が起こっています…。
 彼らには既に家族もいます…。
しかし…人間はなおも野犬たちを全て処分してしまおうという動きもあるようです…。”
 

 ザワッ…と観客席がざわついた。

 オレは気持ちを落ち着けて深呼吸すると同時に声を張り上げた。


 “野犬たちは…きっと最後まで自分達の住まいを守ろうと人間と戦うと思います。
 しかし…子犬たちは大人になっても野犬でいたいという気持ちもあります。

 この夢は…人間と抗争したのでは…願いが叶えられる事はないでしょう!


 そこで…自分はこう思います…。

 人間たちの流行りを利用してはどうかと思うのです…。
 
 人間は…ペットブームに乗っかり我々をペットとして受け入れてくれています…。
 勿論大事にしてくれる飼い主もたくさんいますが…そうでない人間もたくさんいて、そうでない人間がペットブームが過ぎ去ると面倒みれずに捨てられるという行為になっています…。
 もちろん…人間にもいろいろ事情があるのもわかりますが…自分たち生き物だって“命がある”という事を人間同士で深刻に受けとめてもらいたいと思うのです…。
 捨てる前に考えてもらえたら野犬たちのような思いをするものもぐっと減ると思います…。

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