【完】山伏ネコの旅日記
けもの道
オレは…住み慣れた家を後にして車通りの激しい道路を歩いていた。
できるだけ人の邪魔にならないよう端を歩き慎重に歩いていく。
思えば…住み慣れた家を出たのなんてこれが初めてかもしれない。
いつもおばあちゃんの後ろを着いて敷地内を歩いていただけだったから…こんなに世間が広いなんて思いもしなかった。
修業旅が初めてのオレには…見るモノすべてスケールが大きく思えてくる。
特に広い通りに出ると…人間の乗り物が灰色の煙をあげて走っている。
道路を渡りたくても物凄いスピードで走っているのでかなり危険だった。
オレは…なるべくそこをさけて人目につかないように海沿いや川沿いを選び進む事にして海沿いを登り川沿いをつたって先に進んだ。