好きにならなきゃよかった
××さんとワタシ












ユラユラと揺れるアロマキャンドルの火が薄暗い部屋を仄かに照らす。愛と欲望と――――虚しさで包まれた部屋。愛が有れば満足なはず。だけどこの愛が一時の愛だと思う度に虚しさが募る。



泣きたくなるほど好き。叫びたくなるほど愛してる。いっそのこと嫌われたほうが楽なのかもしれない。突き放して欲しい。こんなにも誰かを思う事が苦しいだなんて未熟な私は知らなかった。だけどでも私はそれでも―――――――――……







「……っふぁ…」





結局は貴方を求めてしまう。


苦しい。切ない。苦しい。


だけどそれでも貴方が、


――…××さんが好きなんです。


今だけは貴方を独り占めさせて下さい。この時間が私は1番好きです。貴方を感じれるから。例え躰だけの関係だとしても、です。





「………心優」

「…っ焦らさな…ッ…ぁん」





私の耳元で囁く××さんが焦らすように服のなかを弄る。



もどかしい。愛も。××さんの手も。もっと触れて欲しいのに焦れったい。全てがもどかしすぎる。



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