rainbow
赤色
出会い
「よしっ。いって・・・くるね。」
誰もいない部屋に私の声がこだました。
リビングにはお母さんがニコニコ笑っている。
・・・けれど、両親はもうこの世にはいない。
「あぁ・・・。もうこんな時間!?行かなきゃ。」
ある写真を見ながら、私は時間を
気にしている。
・・・そう、ある写真とは、
生き別れた私…沙羅の兄、拓斗。
拓斗とは両親が亡くなった時に、
生き別れてしまった。
ピーンポーン___。
「あ。はいっ!」
「沙羅?行かねーの?」
「あ!今行きますっっ!!」
私はあせりながらも、
かばんを持って外へ出て行った。
「あ・・・柊っ。遅くなってごめんっ。」
柊のほうを見ると、
6年前に見た面影もあり、
だけど、すごく大人っぽくなっている。
「沙羅・・・大人っぽくなったなぁ…。
一生懸命なのは全く変わってねーし?笑える。」
「え・・・ちょっ・・・ちょっとっ笑わないでよ!」
2人で歩きながら、柊に笑われるし・・・。
何気なく言われたから、驚いたけど、
でも今『大人っぽくなった』って言われたよね。
「おーい、沙羅?
ボーっとしてんなー??」
「あ、ごめん。」
「よし、着いたぞ。」
着いたのは単なる居酒屋。
中に行くと、6年前に別れた仲間が、
たくさんいた。
「あ!沙羅じゃん!!」
「え!?杏??」
「そぉだよぉ^^」
高校の大親友、杏と再会・・・。
時間を忘れて語りまくった。
「でねー・・・ちょっと、杏!聞いてる??」
「・・・ねぇ。・・・アレって…?」
杏が振り向いた方へ
私も振り返ると…?
「「きゃぁぁぁぁぁっ❤」」
「龍也っ??」
3年前まで付き合っていた彼、
龍也だった。