初恋図鑑〜AfterStory〜【完】
*プロローグ
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『でね〜颯太くんったら、指輪くれたの……それで…』
心がすごく嬉しそうなのが電話ごしでもわかる。
きっと、今頃、ニヤけてるに違いない。
『はいはい、独り身の私に惚気は禁止!!』
私は、そんな心をなだめながら制した。
だって、一度聞いてしまえば、1時間は止まらない…それが心なのだ。
『何言ってんの!真理、すっごいモテるんでしょ?美智子にも聞いてるんだからね!!真理は好きな人とかいないの??』
そう言うと心は、楽しそうな声をあげた。
…絶対、おもしろがってんな心のやつ……てか、美智子は、また心に余計なこと言って…
私は、ハァ…と、ため息をこぼす。
美智子とは、高校時代の友達で、私と同じ会社に就職した子。
課は違うけれど、心ともよく一緒に遊んだりするので結構仲もいいのだ。