初恋図鑑〜AfterStory〜【完】
『速水、渡辺ちょっと!』
お昼が近くなってきた頃、営業部部長の原田さんに呼び出された私たち。
『…部長、なんでしょうか?』
部長に呼び出されるなんてそうそうない経験に私は、戸惑いを隠せない。
そんな私とは、裏腹に速水さんは、冷静な表情で部長を見つめている。
『実は、お前たち2人に頼みたい商談がある、日吉への営業だ』
『!!日吉…ですか?』
日吉とはかなりの大手のデパート。
『…新しく売り出す予定の香水があるんだが、それの営業を2人に頼みたいと思っている、2人ともやれるか?』
ニヤリとほほ笑みながら部長は、そう言った。