神さまに選ばれた理由(わけ)
「ねえ先生、私たちどう見えるのかな_?
やっぱり病弱な母と息子かしら?
「30の息子なんていらないわー」
「あなたは若いからそこまではいかなくても
病弱な姉を気ずかう弟ってとこじゃない。
気にしてるの?」
「まさか?恋人じゃあるまいし・・・・」
「だったらいいじゃない」
「そうね」
「アイス食べない?」
「アイス、クリーム!もう腹減ったの?」
「横浜じゃアイスなの!」
お互いに桜の思い出はなかったが自分は京都出身だと
言うことを先生は自慢した。家は祇園のそばだから町中だが
桜はいつもそばにあったらしい。今も春と秋の京都はすごい人気だから
まんざら嘘ではないだろう。
吉野の桜は遠景で有名だが、まじかで見れるところに連れて行ってくれた。
「大丈夫?」となんどもたずねて、私の様子を確認しながら
ゆっくり進んでくれた。
「随分、歩いたから疲れたんじゃないの?少し休もうか_?
そう言いながら近くの神社に入って行った。
「ここに座って・・・・」座る場所があったからここに入ったのか
目の前にある桜は1本の木に八重桜と一重桜が一緒に咲いていた。
「ねえ見て見て この桜ちょっと変わってる。」
「ホントだ。二つの花が同時に1本の木にある。おもしろい。風情あるね。」
「僕らみたい。」「えつ?」
「いやなんでもない。写真撮ろうか?さっ前髪セットして 前髪で歳ごまかすんでしょ?」
「そうだけど・・・.!でも年下の先生が言うな。」「僕はどーでもいいんだよ。」
唯一の2ショット写真。
「きてよかったよ。先生ありがとうございました。」
「ございました。やけに丁寧だな。」
「これでやっと吹っ切れたわ。ねえ先生聞いてくれる?」
「明るいうちに終わる話?」「終わる終わる5分で終わる
結婚前の先生の夢壊すようで悪いけど、私会社に好きな人がいたの。
4年間で3,4回2人で食事に行ったかな。そのうち1回だけ
手をつないだ。さっき先生と手をつないで思い出しちゃった。」
「・・・・・・」
「それからその人海外転勤になったの。自分が憧れた自分になるって
ステキなことだから寂しかったけど応援した。彼とは手をつないだだけで終わった。
その彼がついこの前帰ってきたの。海外から。退院したらすぐメールがきた。
次の月から同じフロアで一緒。彼は隣の部で部長。
私は背中向けてるけど、彼から私は丸見え。1日1日女捨てて朽ちていく
私を見せなければならないのよ。あんまりだと思わない?
神様はあまりにも意地悪よ。病気にしただけでは足りないって言うの?
思わず声が大きくなり、涙が次から次へとこぼれていた。
「その人のこと、まだ好きなの?そう言いながら私の背中をそっと引き寄せた。」
「わからない。でも視界にはいると気になるじゃない。いっそ全然別の場所ならよかったのに・・・・・・
「きみはさっき病気にしただけでは…・・と言ったけど君が病気にならなかったら
ぼくらは出会わなかったんだよ。」
先生の肩でまわりを気にせずしゃくりあげて泣いていた私は
急に泣き止んで先生の顔を見た。「じゃ先生はどうして神経内科を選んだの?」
「元の身体が帰ってくるんだったら先生と逢わなくてもよかった。
家族が優しくならなくてもよかった。」と言ってもっと泣いた。
「わかったよ。わかったよ。でも君が好きになった人だ。ちゃんと話せば心配してくれたよ。
だから好きになったんだろう?」
そう言って、回した腕に力を込めた。
通りすがりの人たちが私たちを見て冷やかしたが、先生の心臓の音以外何も聞こえてこなかった。
やっぱり病弱な母と息子かしら?
「30の息子なんていらないわー」
「あなたは若いからそこまではいかなくても
病弱な姉を気ずかう弟ってとこじゃない。
気にしてるの?」
「まさか?恋人じゃあるまいし・・・・」
「だったらいいじゃない」
「そうね」
「アイス食べない?」
「アイス、クリーム!もう腹減ったの?」
「横浜じゃアイスなの!」
お互いに桜の思い出はなかったが自分は京都出身だと
言うことを先生は自慢した。家は祇園のそばだから町中だが
桜はいつもそばにあったらしい。今も春と秋の京都はすごい人気だから
まんざら嘘ではないだろう。
吉野の桜は遠景で有名だが、まじかで見れるところに連れて行ってくれた。
「大丈夫?」となんどもたずねて、私の様子を確認しながら
ゆっくり進んでくれた。
「随分、歩いたから疲れたんじゃないの?少し休もうか_?
そう言いながら近くの神社に入って行った。
「ここに座って・・・・」座る場所があったからここに入ったのか
目の前にある桜は1本の木に八重桜と一重桜が一緒に咲いていた。
「ねえ見て見て この桜ちょっと変わってる。」
「ホントだ。二つの花が同時に1本の木にある。おもしろい。風情あるね。」
「僕らみたい。」「えつ?」
「いやなんでもない。写真撮ろうか?さっ前髪セットして 前髪で歳ごまかすんでしょ?」
「そうだけど・・・.!でも年下の先生が言うな。」「僕はどーでもいいんだよ。」
唯一の2ショット写真。
「きてよかったよ。先生ありがとうございました。」
「ございました。やけに丁寧だな。」
「これでやっと吹っ切れたわ。ねえ先生聞いてくれる?」
「明るいうちに終わる話?」「終わる終わる5分で終わる
結婚前の先生の夢壊すようで悪いけど、私会社に好きな人がいたの。
4年間で3,4回2人で食事に行ったかな。そのうち1回だけ
手をつないだ。さっき先生と手をつないで思い出しちゃった。」
「・・・・・・」
「それからその人海外転勤になったの。自分が憧れた自分になるって
ステキなことだから寂しかったけど応援した。彼とは手をつないだだけで終わった。
その彼がついこの前帰ってきたの。海外から。退院したらすぐメールがきた。
次の月から同じフロアで一緒。彼は隣の部で部長。
私は背中向けてるけど、彼から私は丸見え。1日1日女捨てて朽ちていく
私を見せなければならないのよ。あんまりだと思わない?
神様はあまりにも意地悪よ。病気にしただけでは足りないって言うの?
思わず声が大きくなり、涙が次から次へとこぼれていた。
「その人のこと、まだ好きなの?そう言いながら私の背中をそっと引き寄せた。」
「わからない。でも視界にはいると気になるじゃない。いっそ全然別の場所ならよかったのに・・・・・・
「きみはさっき病気にしただけでは…・・と言ったけど君が病気にならなかったら
ぼくらは出会わなかったんだよ。」
先生の肩でまわりを気にせずしゃくりあげて泣いていた私は
急に泣き止んで先生の顔を見た。「じゃ先生はどうして神経内科を選んだの?」
「元の身体が帰ってくるんだったら先生と逢わなくてもよかった。
家族が優しくならなくてもよかった。」と言ってもっと泣いた。
「わかったよ。わかったよ。でも君が好きになった人だ。ちゃんと話せば心配してくれたよ。
だから好きになったんだろう?」
そう言って、回した腕に力を込めた。
通りすがりの人たちが私たちを見て冷やかしたが、先生の心臓の音以外何も聞こえてこなかった。